産学官連携
産学官連携によるお互いの強みを活かした共同研究
- ソリューション事例
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背景
マイカに特定のイオン種を選択的に吸着する特徴があることは古くから知られています。
福岡県にある公立研究所と大学は、環境浄化のための吸着剤を研究しており、マイカのノウハウを持つとして岡部マイカ工業所に協力要請を頂き、共同研究を行いました。 -
課題
高効率なマイカ吸着剤としての最適な条件について、基礎研究を行う必要がありました。
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解決策
マイカの結晶層に配位しているカリウムイオンを他のイオンに置換することで、特定イオン種の高効率な吸着剤となることが知られています。
この置換反応を収率良く低コストで行い、吸着剤として高選択性を達成するためにマイカの種類、形状を最適化しました。●国内外からマイカ材料を迅速に調達
●化学専攻のスタッフがメイン。化学反応について熟知しているので作り方の提案等もスムーズ
●ユーザー目線で使いやすさを考えた製品形態の提案作ったモノを評価できる人材がいるため、社内に評価装置がなくても、「どの分析機関のどの装置を使用すれば良いか?」が分かっており、開発品の根拠作りも迅速。
試験内容
代表特性として、特定イオン種が存在する溶液に、RIA-01を加えた時の特定イオンの吸着除去特性を評価しました
試験条件
100ppbの特定イオン種溶液10mlに、 RIA-01を0.1g加え、1週間放置しました
分析方法
ICP-MS にて特定イオン種の濃度を測定しました
まとめ
岡部マイカ工業所には、マイカの調達力があります。
また化学系専門スタッフによる実験力があります。本案件は、試作した置換マイカの定性的確認・特定を分析化学経験者が行い、イオン種がどれくらい吸着しているかを分析しました。
さらに幅広い産学官ネットワークを通して最善の方法を模索し、合成法や造粒の検討を迅速に行うことができました。