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CASE 01

【要望実現】機能性ユニットの開発

  • 「放電現象」を
    製品化する発想力

  • 電気および材料の
    専門家による連携力

  • マイカの特性を活かした
    製品設計

素材から機能性ユニットへ ~マイカの特性を活かして~

背景

マイカは電気絶縁性が良く耐熱性が高い素材です。この特性を活かして世の中の役に立てることはないか?この発想から開発された製品がマイカ除電器でした。

課題
工場の生産ラインでは静電気に起因したトラブルを解消するため、除電器が広く普及しています。
この除電器は、針式放電タイプが大きなシェアを占めており、狭いスペースに設置出来ないという課題があります。
その理由としては、

①イオンの混合に距離が必要:1本の針にプラスとマイナスの電圧を交互に印加することで、それぞれのイオンを交互に放出する

②高さが必要:電極間に間隔があるため、対象物からある一定の距離を保たなければ、除電ムラが生じてしまう

③高電圧が必要:沿面距離(あるいは安全距離)が長く必要で、電源も大きくなる

という点が挙げられます。
解決策

岡部マイカ工業所で開発した除電器は、マイカを誘電体として用いてその両面に高圧電極、低圧電極を配置しました。これら電極間に高い電圧を印加し沿面放電させました。この放電によりイオンが発生します。
マイカの優れた電気絶縁性を活かし、誘電体を薄くすることが可能となります。電極間距離が短くなることにより低い電圧で安定した放電が発生することから、高圧電源の小型化にも成功しました。

まとめ
岡部マイカ工業所の沿面放電方式は、

①針式に比べて薄い

②フレキシブルシートであるため、変形に自由度があり、様々なスペースに設置可能

③面状電極であるため、対象物から近距離に設置した場合も、除電ムラが無い

④低電圧駆動を可能にした設計であるため、電源サイズも小さくなり、省スペースに貢献

という利点を持っています。
狭小スペースでの除電、また円弧状での取り付けを行いたいというニーズをクリアし、かつ、商品設計には幅を持たせ、可能な限りユーザー様ごとのご要求サイズに応えられるよう、精力的に取り組んできた事例です。